問い合わせできないホームページ問題

ある海外企業のサービスを利用する中で、違和感を覚える出来事がありました。手続きの途中でエラーが発生し、通常であればサポートに問い合わせて解決する場面です。しかし、ここで問題が起きました。

問い合わせ窓口が見つからない。

正確には、存在しているようで実質的に機能していない。

チャットは用意されているものの、最初に出てくるのはボットのみ。こちらが何を入力しても意図した回答にはならず、会話が成立しません。さらに「担当者に繋いでほしい」と伝えても、「営業時間内に対応します」と表示されるだけで、具体的な受付時間の明示すらない。

つまり、困っているその瞬間に対応する仕組みがないのです。これは単なる不便ではなく、構造的な問題だと感じました。

企業側の論理としては理解できます。問い合わせ対応はコストであり、ボットで一次対応を行い、人の対応は最小限に抑えたい。効率を優先すれば自然な流れです。しかし、その結果として生まれているのは「顧客に向いていないサポート体制」です。

本来、最もサポートが必要なのは、トラブルが発生している時です。

休業日であれば休むのは当然です。しかし、「受付すらさせない」という設計に大変違和感を覚えます。

まるでネットのなかった時代、つまり時空を超えたコミュニケーションが取れなかった時代に “今日は休みだから週明けに再度受付に行こう” といった感覚に似ていて、アナログ回帰しているかのようです。これは明らかに企業中心の設計です。

ただし、ここで重要なのは、これがすべての企業に当てはまるわけではないという点です。

実際に、同じ海外企業でも、問い合わせに対して即座に人が応答し、的確に問題を解決してくれるIT系企業が存在します。

問い合わせの内容を理解するだけでなく、その背景まで推測しているかのような対応があり、「次はこの点で疑問が出るはず」といった先回りの説明まで含まれています。

対応のスピードも非常に速く、早い時には数分で回答が返ってくることもあります。担当者が交代する際には、次の担当者の名前とともに引き継ぎの連絡があり、対応が途切れることがありません。

さらに、問題解決後も一定時間をおいて「その後問題はないか」というフォローが入り、対応品質に関するアンケートが送られてくる徹底ぶり。

テンプレートは用いられているはずですが、それを感じさせないほど、個々の質問内容に対して非常に精度の高い文章で返ってきます。これは最近のAIの進化以前から実現されている対応であり、ホスピタリティの高さを強く感じます。

正直なところ、日本の企業でもここまでの対応品質に出会ったことはほとんどありません。世界には、本当に凄い人たち、すごい企業があります。

 

つまりポイントは、ネット上で「どこまで顧客に向き合うか」です。機械的な対応で済ませる企業がある一方で、前述のように顧客対応の質において圧倒的な差をつけている企業も存在します。

また、今回もう一つ感じたのは、ホームページの構造そのものへの違和感です。弊社はホームページ制作に関わる立場ですが、「問い合わせに辿り着けない設計」は、通常避けるべきものです。

・どこに問い合わせがあるのか分からない

・ボットチャットはあるのに人に繋がらない

・重要な情報(受付時間など)が明示されていない

これはユーザー体験として破綻しており、、そしてホームページの存在意義にも疑問が残ります。

企業にとって効率は重要です。

しかし、その効率の先に「顧客が置き去りになっていないか」。

今回の体験は、この点を改めて考えさせられる出来事でした。